■麻田めぐみ プロフィール
玄米食堂
和心道株式会社(わしんどう)代表 1973年大阪市生まれ。
広告代理店営業、経営コンサルタントを経て、2006年にNPO法人を設立し独立。
経営コンサルタントとして、飲食店ののれん分け制度構築や講演活動を行う。
2010年に婚活事業を法人向けに展開するも、結婚後のカップルに子どもが生まれない現実に直面し撤退。
その後「日本人の心を次世代(子ども)に継承する」ことを目的に和心道株式会社を設立。
自然食に出会い、食育の重要性を実感。
2019年に“玄米食堂”を開業し、2022年より「子ども食堂」を開始。
現在、昼は玄米食堂、夕方は子ども食堂、企業向け社食も展開する三位一体のモデルを自ら運営中。FC化に向けて日々試行錯誤中。
■卓話内容
和心道株式会社の麻田めぐみです。
本日は、お時間を頂き有難うございます。
では、早速『子ども食堂を週3回開催できる新ビジネスモデル』という内容でお話をさせて頂きます。
まずは、全国で開催されています子ども食堂について、一般的に子ども食堂は経済的な問題を抱える家庭の子どもたちに無料または安価で食事を提供する食堂として、理解されていることが多いです。
コロナの流行により、現在は多くの子ども食堂は、持ち帰りの弁当というカタチで子どもたちに配布しています。その頻度は月1回か2回が8割近くです。
私が、子ども食堂を始めようと考えたきっかけは、私の食の先生である東城百合子先生(自然食・自然療法では世界1の方で、出会った当時すでに90歳、年間100公演をするスーパー婆でした)が、いつも言っていた
『このままでは日本人の顔をした日本人じゃないひとたちになる』という言葉と料理教室で繰り返し伝えて頂いた食事を通しての文化継承(食卓文化)、先生のこれらの教えと、私が子どもの頃、祖父母に教えてもらい、いつの間にか身についていたこと、それらが繋がり、弊社の理念「和の心(日本人の心)をつなぐ道は子どもたち」で出来ていて、それを実現する場が、子ども食堂であるとつながったことからです。
例えば、今でこそ、ペットボトルで直接口飲みは当たり前ですが、私が子どもの頃は、水筒にはコップがついていました。お茶はコップに入れて飲むのが当たり前、ラッパ飲みは行儀が悪いと叱られたものです。東城先生は、ラッパ飲みもですが、ペットボトルを目にすると
「そんないつだれが作ったものかもわからないようなもの、よく飲むわねぇ」と消費期限しか記載されていない、しかも保存料という薬の入った飲み物をあざ笑いながら、教えるのです。「自分で本当になにを口にしているのか考え、判断しなさい」と。
もう一つ、私たち日本人は『いただきます』と言って食事を始めます。いただきますの意味は、生きとし生けるものには人間と同じ命(一寸の虫にも五分の魂)がある、お米一粒にもです。それを自分の命をつなぐために頂く、ということへの感謝です。『(いのち)いただきます』
では、お箸のマナーの1つ「差し箸」はなぜいけないのでしょうか?命を頂く食べ物を刺す!とは何事!!そのものへの敬意を欠く行いであり、また「さす」は「指す」でもあり、ひとを指す、他人のせいにする人になってしまう!と戒めたのです。
祖父母や親から叱られた食事の作法を東城先生は、その理由も一緒に教えてくれたのです。
食べ物を通して、生き方を教えることを「食育」といい、それを日本人は父母、祖父母、子の3世代で食卓を囲みながら、主に祖父母が孫である子に伝える役割を果たしており、食卓は文化継承の場(食卓文化)でした。
2013年和食は、ユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、単なる料理としての美しさや栄養だけではなく、年中行事、お正月のお節などの意味、作法など日本人が長年育んできた食文化全体が文化遺産となったのです。
これが、戦後の核家族化により、特に今は共働きが多くなり、こういった文化の継承が難しくなっていく一方となりました。
そこで、子ども食堂です。
単なる食事を提供するだけでなく、子どもたちに食事の作法など私達が祖父母から教えてもらったことを子どもたちに直接伝える場になる、と思いつきました。
当然、そこでの食事は命を感じる旬の食材を使い、手抜きせず丁寧に作ったものでなければなりません。
伝統和食のご飯・味噌汁・漬物を基本3点セットとして、主菜と副菜2品の日替わり定食としました。丁寧・手作りと栄養面から玄米ご飯が主食です。
対象は、共働きなどの事情で、夕食を夕食時に大人と一緒に食べることができない子どもたちに、子ども食堂と言う名で、食事を提供し、そこで箸の持ち方や作法を伝えることができる。
ただ夕食は毎日必要なので親の居る土日は良いが、平日は毎日開催したいと考えました。
そこで、全国の子ども食堂が月1回の理由・・・ほとんどが助成金とボランティアで運営しているため、家賃・光熱費・人件費が賄えない。
ならば、収益事業をして必要な経費を稼ぎ、利益を子ども食堂に充てればよい、と考え「お昼は一般向けの玄米食堂、夕方は子ども食堂」である“子ども食堂つき玄米食堂”ができました。
やってみると、玄米食堂の収益だけでは不足で、
お昼の収益をもっと強化するための社食提携と子ども食堂応援券というペイフォワード(恩送り)の仕組みを織り交ぜ、
地域のひとと企業も巻き込んだビジネスモデルとなりました。
※社食提携は、半額を会社が負担することで、提携先社員さんは半額で定食又は弁当を食べることができるという仕組みです。
子ども食堂も最初は、母子家庭の要望から親子連れOKとしていたものの、
約半年で親子席が満席となり、(真ん中のテーブル席を一人で来る子ども用、周囲の2人席を親子席としていました。)一人で食事に来ていた小学生たちが来なくなってしまいました。
そりゃ、そうですよね。一人だからここに食事に来ているのに、周りに親子でキャッキャ言いながら食事をしていたらイヤです。
ということで、「おとな立ち入り禁止の子ども食堂」となりました。
今は、お手伝いの80代のおばあちゃんたちと私が居る以外は、子どもだけとなっています。
子どもが子どもを呼んでくるので、紹介者が連れてきた子に食堂の使い方を説明します。
時には、子ども同士で「正しい箸の持ち方」を教え合っています。
最後にお礼のメッセージを書いて、帰ります。
店内では携帯電話・ゲーム機は使用禁止ですので、色んな遊びを発明したり、店の外で鬼ごっこが流行ったときもあります。
子ども食堂も3年を超え、ご近所にも知られてきたようで、地域の方がお中元のジュースや家庭菜園の野菜、お米が店頭から消えたときには、『今、スーパーに並んでたから』と5kgの白米を持ってきてくださったり。当時兄弟の多い子にお米を持ち帰らせると、お母さんからお礼の電話が「米が売っていないので、毎日うどんやそうめんを食べさせていました」と感謝が。
毎週火曜日は、ご近所の方が日本拳法教室を子どもたちに無料でしてくださっています。
これも店内で男の子2人が取っ組み合いのケンカをしたり、女の子が紙をパンチで破いたり、すぐに殴りにかかる子がいたりしたのですが、教室が始まっておさまりました。
少しでも不穏な動きを見せると「そんなに暴れたいなら、火曜日にスパーリングしてもらい!」の一言で止まります。
コロナ禍を越え、玄米食堂もやっと黒字化し、子どもたちも楽しく過ごして安定してきました。月に4,5回、毎日の子は月12回以上会っていますので、子どもたちの家庭や親のことも少しずつ分かり、色々話せる関係性ができています。
突然、この玄米食堂に問題が起きました。
昨年、大家さんから移転を要請されました・・・1年色々ありましたが、割愛させていただきまして。
地元の方やお客様のご協力で、物件は見つけることができたのですが、このコロナ禍あとの物価高騰で、内装工事費などが恐ろしい金額になってしまい、立退料が折り合わず。
クラウドファンディングをする決意をしました。
9/8(月)~スタートしております。
子ども食堂つき玄米食堂のモデルのFC化、全国に広めることが当初からの計画です。
今は毎日来ている子どもたちも多く、まずはお店を継続することが一番です。
そのために、お力を貸していただければ、と今回のクラウドファンディングの裏を仕切ってくださっているパーシヴァル川辺さんのご紹介で、こちらでのご縁を頂きました。
玄米食堂の子ども食堂継続のため、どうぞ、ご支援と拡散をお願い致します。
本日はご清聴ありがとうございました。
下記からチェックいただき、ぜひご支援お願いします!!
https://for-good.net/project/1002298
検索→「For Good 玄米食堂 東三国」